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最後のヒロイン。恋の妖精、そして死神ティナ。
もともとティナは最後にやろうと取っておいたのですが、仕様的にも他のヒロインを全員クリアしないと開放されない物語でした。
『ハーフ』の杏と違って『純血』の死神であるティナ。しかし、血が濃いほどスペックが高いとか、より長寿であるという話はなくて。
この世界における死神って何なんでしょうね。亡くなった人の魂を刈り取り生まれる命にその魂を与える存在ということですが、いったい誰が死神なんてものを生み出したんでしょう。いつから存在するのでしょう。ティナやリィナは、どうやって生まれたのでしょうか。なんで死神は人間と交わることができるのでしょう。また、古来から不老不死の存在だったら、とっくに人間たちにバレていてもおかしくない気がします。
もっと具体的に突っ込めば、夕莉ルートでオカマが花に取引を持ちかけましたが、あれは死神界のルール違反にはならないのでしょうか。こなみルートのラストで父の魂を呼び起こしたのも、とても気になります。
死神について謎が多いのは、身も蓋もなく言ってしまえば描写不足になってしまいますけど、いろいろと自分で想像してみるのも面白いですね。
話を戻すと、ティナルートでは杏先輩ルートであった人間と異なる存在であることによる葛藤が描かれることはほぼない代わりにティナは主人公に亡き姉を重ねていること、死神は刈り取った魂の記憶を食べることで生き長らえていることの二つが主な問題として描かれました。
別作品の話を入れてしまうのは無粋ですが、前者は、たとえばFGOのきよひーも同じ問題を抱えていますよね・・・。主人公のことを愛しているのではなく彼の中にいる安珍を見ている。嘘つきみーくんのマユも主人公のことをではなく「みーくん」を愛している。
個人的に結構こういう話は、考えれば考えるほど身が引き裂かれる思いになって弱いのですが・・・ティナの場合、主人公に告白されコタローに諌められた最初こそその問題に戸惑いましたが、すぐに「主人公」が好きだと気付いて。よかったです。
爽・・・(´・ω:;.:…
正直、彼の気持ちを考えたら声高に非難して石を投げつけることはできない・・・orz
そりゃ好きな人がどんどん身体が細くなって顔色が悪くなっていったら見ているのも辛いですよね。まあ主人公の言う通り、そういう時に側に居続けるのが恋人のやること、なんですけど。世の中そう上手くは立ち回れないという・・・。
ティナが小春の遺言として「幸せになって」と本人に伝えるものの、その後、本当はもっと「恨んでやる」という負の感情もあったことを主人公に打ち明けたのはよかったです。簡単に美談で終わらせない。
実は、最後まで魂の記憶を食べることはせず、その身体は消滅を迎えてしまう・・・。
恋とは、「その人に覚えておいて欲しい気持ち」だと理解したティナには小春のことを忘れるのは、どうしても躊躇があったと。結果的に、主人公の「生きていてほしい」という願いを裏切ってしまうことになるんですが、杏先輩の「けど、生き続けるよりも大切な何かがあるんだろうね」が個人的に凄く突き刺さって・・・。
そうなんですよね。やっぱ生きてることはそれ自体が素晴らしいのかもしれませんが、人間として生まれたからにはもっと、ただ生きることよりも大切な何かを見つけたいと思っているので、ティナが延命より小春の記憶を選んだのは正直腑に落ちました。
出会えてよかった。
その幸せは、別れの哀しみ程度に負けたりしない。
だから、最後は涙だけでなく、笑顔を浮かべよう。
みんなの言うことを守らなかったティナを非難することはせず、ただ、彼女が笑って逝けるために自分も笑顔でいようと頑張る主人公。゚(゚´Д`゚)゚。
そして、流れるエンドロール。ああ、これ離別エンドのゲームだったのか・・・と喪失感を味わっているところに――
「はずかしながら、かえってきました」
なんかリィナお姉ちゃんぽい人にもう一度生命を与えられて復活\(^o^)/\(^o^)/
でも、これでよかったと思います。純粋に物語として考えたら離別Finの方が完成度高くてよかったかもしれませんが、このゲームの作風には合ってないと思うので。
以上で『恋がさくころ桜どき』の感想は終わりです。
総じてこのゲームは、とにかくキャラが可愛かったです。特に声は100点満点を与えられます。シナリオは良くも悪くも「あっさり」でしたが、初心者には取っつきやすい作品だと思いました。
一番気に入ったキャラは、見た目だけで言えば夕莉。総合面では、杏先輩。一番気に入った話は、こなみと迷いますが、杏先輩ルートで!><
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